新たに農業を始めるということは、農家という小さな会社を興すことになります。会社は、資本(資金、設備、資材)と労働力、土地そして経営力によって成り立っています。農業経営を行うためには、多方面の能力を備えるとともに「何が何でも農業をやるぞ」という強い意志が必要になります。そこで、農業を始めようとする前に、以下の点について、考えてみましょう。
農業をしたいと考えた動機は何でしょうか。農業で生活していくためには、多くの努力が必要です。自然が相手ですから思いもよらない事態も数多く発生します。
就農は単に職業を変えるということではなく、そこで生活していくことです。家族の理解と協力を得る必要があります。
就農するということは、会社を起業するということです。専門的な技術と経験・経営管理等を身につけ、綿密な営農計画のもとで作業を行っていくことが求められます。また、生産の3要素である土地(農地等)、労働(家族労働が中心)、資本(資金)の準備が不可欠です。
農村は、生産と生活の場が一緒ですから地域の人との関係が密接です。農業に関わる共同作業や様々な行事に集落の一員として積極的に協力していく姿勢が必要です。
かかります
農作物は年1作の物が多く技術を修得するまでに時間がかかります。また、就農して数年間は、設備資金や運転資金などの経費がかかり、安定した農業所得が得られるようになるまで時間がかかることから、自己資金を用意しておく必要があります。
農業に興味がある、農業を始めたいと思っても「何から始めればいいか」「どこに相談したらいいのか」わからないときは、まず管内市町村、農業指導センターに就農相談窓口がありますので相談してください。
農業を始めるための情報収集をしましょう。また、週末や休暇を利用し農業体験をして自身の適性を確認しましょう。
何が何でも農業で成功するぞという意思、家族の理解と協力、資金の確保状況、農村社会に対する理解度、就農候補地の選定など、就農に対する気持ちをもう一度チェックしてみましょう。
就農の決断後は、どんな作物をつくるのか、どこで農業を始めるのか、いつどこで技術を習得するのか、資金をどうするのかなど、営農開始に向けた具体的な計画を作成します。この計画を「就農計画」と言います。就農計画には、将来の農業経営の構想、就農時・就農5年後の目標、研修計画、経営開始計画、資金計画などを記載します。始めたい農業のイメージが決まったら、徐々に技術や経営管理のやり方を身に付けていく必要があります。
農業技術や経営手法を修得するには、先進的な農家や法人での実践を通じて、技術や経営のノウハウを学ぶことが有効です。また、就農希望地で研修を行うことで地域の人々となじみ、信頼関係を育むことができます。
農地の借り入れあるいは取得には、農地法に基づく農業委員会の許可または農業経営基盤強化法に基づく手続きが必要です。まず、各市町村にある農業委員会に相談しましょう。
機械や施設は、全てを一度に揃えようとすれば多くの資金が必要となるため、当初は、必要最小限の農機具や施設を準備し、経営が軌道に乗り始めてから徐々に装備を充実していく方が堅実です。中古機械やリースなどで対応し、負担を軽減するのもひとつの方法です。また、就農するために必要な資金は自己資金で賄えればそれに越したことはありませんが、資金が不足する場合は制度資金を活用することができます。
群馬県をはじめとする関係機関で農業体験や技術・知識を修得するための事業があります。(参加や受校申請はコース等により異なりますのでパンフレット等確認してください)
群馬県で行っている体験事業です。
○入門コース(2日間)
農業体験の少ない就農希望者を対象とした農作業体験を中心としたもの。年7回程度県内農家で実施されます。
○産地体験コース(2日間)
該当産地での就農希望者を対象とした農作業体験を中心としたもの。
○初級コース(1週間程度)
農業体験の経験があり、就農が具体化していない方や農家継承を希望したい方。
参加費は無料(飲食代、交通費、保険料、宿泊費は自己負担)
問い合わせ先:群馬県農政部農業構造政策課
電話027-226-3064
群馬県立農林大学校で実施されます。県内で新たに農業を始めようとする方や始めて間もない方で農
業経営を本格的に志す方を対象としています。
○野菜専門技術コース
4~3月の火・金(午前)全70回
野菜の栽培管理技術、就農に必要な専門知識、技術の習得
年齢制限63歳以下の方
定員20名
○野菜基礎技術コース
露地野菜の基本的な栽培管理技術の習得
☆春野菜専攻
4~8月の日曜(午前)全12回
定員22名
☆秋冬野菜専攻
7~12月の日曜(午前)全10回
定員22名
○トラクター操作講座
5~6月の日曜(終日)全2回
トラクターの各種機能と基本操作について習得。
対象はトラクター(乗用型)を
所有し、使用経験の浅い方
定員は10名(65歳以下の方)
○農業体験講座(1日体験)
5~11月の間、随時受付
農業に対する基礎講義や農作業
の体験。将来、群馬県内で農業を
やりたいと考え基礎的な農作業
体験を望む方。定員8名
※野菜基礎技術コース 秋冬野菜専攻の募集は令和5年5月1日(月)~6月12日(月)必着
受講料は無料(ただし、テキスト、傷害保険料などは実費負担)
入校申込書は渋川地区農業指導センターにあります。
問い合わせ・申込先:
群馬県立農林大学校 研修部就農支援係
電話027-371-3244
就農の意思が固まり、将来の農業経営の構想がまとまったら、具体的な「青年等就農計画」を作成し、就農する市町村で認定を受けると「認定新規就農者」として円滑に就農できるように、様々な支援策の対象となることができます。「青年等就農計画」を作成する場合は、就農予定地の市町村などの就農相談窓口に相談してください。
次世代を担う農業者を目指す方に対し、就農前の農家研修(2年以内)を後押しする資金を給付します。
次世代を担う農業者を目指す方に対し、就農直後(3年以内)の経営確立に支援する資金を給付します。
※資金の給付を受けるには要件があります。また、要件を満たせない場合は返還することになります。
農業経営を開始する際に必要な施設、機械の購入や運転資金などに利用できる無利子の資金です。
※青年等就農資金については、利用に関していろいろな制約があります。
取扱金融機関:(株)日本政策金融公庫
電話027-243-6061
農業生産法人等に就職して農業技術を学ぶ場合に受入先の農業法人等に対する補助金です。
※利用に関していろいろな制約があります。
問い合わせ先:群馬県農業会議
電話027-280-6171
(渋川地区農業指導センター)